有償・無償の資金協力、技術協力、さらに緊急援助隊やボランティアも行うJICA(国際協力機構)。国際情勢が不安定化する一方でSDGsへの関心が高まっており、期待される役割は大きい。

北岡伸一(JICA理事長)
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──JICAを取り巻く環境について、最近どのような変化がありますか。

 最近の変化として大きいのは、中国のような新しいドナー(援助提供者)が出てきたこと。彼らはDAC(経済協力開発機構の開発援助委員会。援助が持続可能な開発に貢献しているかどうかをモニタリングする)のルールに縛られないので、環境社会に配慮した援助という点で齟齬が出かねません。

 もう一つの大きな変化は、戦後のリーダーだった米国が国際協調に背を向けていること。この状況をわれわれがどう支えていくかという難しい課題に直面しています。

 またここ数年、政府主導のインフラ輸出の増加に伴って、われわれの有償援助が1兆円から2兆円へと急激に増えています。これだけ仕事が増えるとかなり人手が必要なのですが、予算も人員も増えていない。なかなか忙しくて大変です。

──SDGs(持続可能な開発目標。2015年の国連サミットで採択された国際目標)に対する関心が高まりつつありますが、JICAはどのように考えていますか。