新興国の救世主として注目される、茨城企業が開発した画期的な水力発電機とは?
インフラが乏しい新興国の救世主として注目される、画期的な軽水力発電。ネパールでの実証実験の様子

ネパールに電気をもたらす
茨城の中小企業とは

 人が飛び越えられるような小川でも、その水流の力で電気を起こすことができる画期的な水力発電機が生まれた。その名を「Cappa」(カッパ)と言う。カッパは人間にいたずらをすると伝えられるが、このCappaは電気のない奥地にも灯をともし、人間の生活を豊かにしてくれる。

 Cappaは幅約83cm、奥行き約77cm、高さ約66cmと小型で、水深50cm以上、水路幅が1.1~4.5m、流速が毎秒1.5~2mあれば発電可能というから、畑の用水路でも電気がつくれる。

 Cappaの発電能力はモデル水路で160Wだ。LED電球は15W以下、スマホは6W、テレビは60W、ノートパソコンは50~120W、扇風機は60Wなので、身の回りの小さな需要には応えることができる。数台を連結すれば、さらに大きな電力を生み出せる。

 現在、Cappaは深刻な電力不足に陥っているネパールに導入され、実証実験が進められている。電力の不安定な地域にある寺院や小学校前の小川、用水路に設置され、寺院のライトアップやスマホ・携帯電話の充電ステーションなどに活用されている。

 開発したのは、茨城県日立市に本社を置く茨城製作所の4代目社長である菊池伯夫(41歳)だ。

「水力イコール落差という固定観念がありますが、流れがエネルギーであることは物理学の方程式でわかっていました。Cappaは小さなエネルギーを最大限に引き出す軽水力発電機です。エネルギーが小さいぶん、環境負荷も低い。工事不要で、大人が2人いればたった15分で設置できます。自然のエネルギーを借りて、イノベーションを起こしたいと思っています」

 Cappaには水温や濁り、振動などの各種センサーも附属しており、通信機能もあるので、携帯電話などのネットワークを使ってデータを送信することができる。水質環境のモニタリングや、濁り・流速の変化から災害予防に活用することも可能だ。