まず、一つ目の質問に答えられないのは、完全に起業が目的になっているパターンです。これではスタートを切ることすらできません。何をするか決まっていないのに、仲間を集めることはできないからです。

 友人同士で「なにしよっかー」というレベルでワイワイやって楽しむ程度ならいいでしょう。でも、起業するとなったら、相当な覚悟が必要です。ましてや「就職が嫌だから起業する」というのでは、成功する確率は相当低いように思います。単純な消去法でうまくいくほど、起業は簡単ではありません。

 二つ目の「ビジョン」は、仕事を手伝ってくれる仲間を見つけたり、あるいは仲間を増やしたりするためには不可欠です。起業すると決心して、かつ応援してくれる人が現れたとして、ビジョンが共有できていないと、それぞれ勝手なことを考えてしまったり、別の人に事業内容を伝えるときに全然違う説明をしてしまったりします。

 また、進むべき方向が最初からずれていると、事業がある程度成長してきたときに、埋め切れない亀裂が発生するリスクを負います。

 ちなみに、事業の詳細説明とビジョンは違います。ビジョンとは三つ目の質問でもある「どうやって人々を幸せにするか」に直結します。すべての事業は、何らかの形で社会貢献することが求められます。社会貢献とは誰かが何かしらの形で幸せになることを意味しています。

「どのように幸せを届けるのか」を言語化できていなければ、投資家の心を掴むことも、顧客の熱狂を得ることも難しいでしょう。逆に、言語化がしっかりとできていれば、賛同してくれる人たちをどんどん増やすことができます。

 そして、最後の質問は「パッション」です。「もう何もかも忘れて打ち込んで、遊びにも行かず友達にも会わず、成功するまでずっとプライベートを犠牲にしてでもやりたいことか」を質問します。

「いや、そこまでは…」
「ライフワークバランスが…」

 と思うなら、起業はやめておいた方がいいと思います。おそらく、途中で心が折れてしまい、最悪の場合には負の資産だけが残ってしまうかもしれません。「絶対にやり遂げる」という強い気持ちがあってそれを抑えきれないような状態なら、迷わず起業してしまってもいいでしょう。