菅笠でお遍路さん偽装

 25日には香川県観音寺市の道の駅「とよはま」で、自転車旅行中の男(占有離脱物横領容疑で逮捕)に出会い、行動を共にするように。翌26日には香川県三豊市にある四国八十八ヵ所(巡礼者は「お遍路さん」と呼ばれる)の七十一番札所「弥谷寺」で、お遍路さんの世話をしている男性が飲み物を渡すと、2人は「和歌山出身で一緒に巡礼しています」と話し、写真撮影にも応じたという。

 28日にはいったん男と別れ、単独行動になる。

 30日には高知県田野町の道の駅「田野駅屋」で男性に、樋田容疑者は「お遍路さんが泊めてもらう寺に泊めてもらっている」。それらしいサイクルジャージを着用し、自転車に「日本一周中」のプレート、荷台には菅笠(すげがさ)が積まれていた。ここでも動画撮影を嫌がる様子もなく、笑顔さえ見せていた。

 さらに同日夜、同県須崎市の道の駅「かわうその里すさき」のトイレで洗濯をしていて、警察官2人に職務質問されたが、偽名を使って切り抜けた。警察官は自転車の防犯登録の照会をせず、樋田容疑者と気付くこともなかった。

 9月2日には再び愛媛県庁を訪れ、職員に「きれいな場所が多かった」「旅先でもてなしを受けた」などと謝意を伝え、自転車ショップでは「九州を目指す」と話したという。

 3日、広島県三原市の道の駅「みはら神明の里」で男と再び合流。10日に同県呉市の大和ミュージアム、11日には山口県岩国市の錦帯橋など観光地で野宿をする姿が確認されている。

 18~26日には山口県周防大島町の道の駅「サザンセトとうわ」でテントを張り、9日間を過ごした。支配人には食事をごちそうしてもらうなど交流を深め、置き手紙には「櫻井潤弥」の偽名で「みなさまの優しさに居心地が良く、日本一周の旅が停滞してしまいました。最高の思い出ができました(原文まま)」などの置き手紙を残していた。

 27~28日には同県上関街の道の駅「上関海峡」で過ごし、29日に同県周南市の道の駅「ソレーネ周南」で食料品を万引しようとして警備員に現行犯逮捕され、逃避行は幕を閉じた。