容疑者の逮捕や交通死亡事故の撲滅などを目指し、日々、努力している警察。だが、都道府県の警察本部によって、その“実力”には大きな差があるようだ。「週刊ダイヤモンド」7月30日号の特集「日本の警察」より、47都道府県警のランキングをお届けする。
「県内各署の署長たちが地域のさまざまな会合に出向き、犯罪抑止や捜査への協力を呼び掛けてきた。その成果が表れたのではないか」
長崎県警刑事総務課の柴原雅也管理官は、刑法犯の検挙率が改善した理由について、このように分析する。
「警察白書」によれば、長崎県警の検挙率は2014年、55.4%と全国5位、10年前と比較すると5.5ポイント上昇しており、改善度では堂々の1位となっている。
確かに、長崎県は人口が少ないこともあり、事件そのものの件数が少なく、検挙率が高いという事情もある。しかしそれには、商工会が繁華街に防犯カメラを積極的に設置したり、企業もそれを支援したりするなど、犯罪抑止への取り組みの効果が挙がってきていることも影響している。
さらに、タクシー会社と連携して不審者の通報体制を整備したり、各種の団体や地元住民からの情報提供も積極的に受け付けたりするなど、検挙率の向上を図る仕組みも整えている。
「知らない人を見掛けると、地域住民からすぐさま連絡が入るなど、地域全体が非常に協力的。県警内でも迅速な対応が取れるよう刑事、生活安全、地域など各部が緊密に連絡を取りながら連携している」と柴原管理官は語る。
そこで今回、本誌では各都道府県警察本部の実力を測るランキングを作成した。これは、検挙率だけで比較するのではなく、警察官の人数や予算といったハード面も考慮した“真の警察力”を総合的に判断するものといえる。