豊田章男・トヨタ社長はプレゼンで「今年のCES(アメリカ・ネバダ州で行われる世界最大級の家電見本市)でトヨタを、クルマを作る会社からモビリティーカンパニーにモデルチェンジすると宣言しました。その実現のためにはソフトバンクとの協業が不可欠だった」と動機を説明。

 両者は何度も「日本連合」という言葉を用い、“相思相愛”であることをアピールした。

会見で印象的だった
トヨタの姿勢変化

 この会見で印象的だったのはトヨタの姿勢変化だ。これまでもトヨタは情報通信、人工知能などの分野で多くの企業と提携関係を結んできた。

 だが、その大半はアメリカの画像認識、人工知能大手のNVIDIAのようなテクノロジーファーム。GoogleやAppleなどのプラットフォーマーに対しては、常にライバル心をむき出しにしてきた。「顧客サービスの最上位にいたい」という志向が特に強いトヨタにとって、そこを取ることは悲願のひとつだからだ。

 そのトヨタが、プラットフォーマーを目指すソフトバンクと組むのは、劇的な方針転換といっていい。新会社モネテクノロジーズの出資比率で50%を切るスレーブ側に回り、ソフトバンクの顔を立てたことも、それを象徴している。

トヨタはなぜGoogleや
Appleとは組まなかったのか

 なぜGoogleやAppleとは組まず、ソフトバンクと組んだのか。

 もちろんソフトバンクが10兆円ファンドを組んで配車サービス企業や人工知能に積極投資を行い、モビリティサービス界で無視できない存在になっていたことは大きな理由のひとつであろう。だが無論、それだけではない。大手通信企業の技術系幹部は私見と断ったうえで、次のような見方を示した。