新聞や週刊誌で問題となるのは有名校や有名コーチの不祥事が多い。しかし実際には、有名無名にかかわらず、「しごき」や「かわいがり」、あるいはパワハラや体罰は行われている。今回は、過去にスポーツに打ち込み、その中で理不尽な経験をした人たちに、その思いを匿名で語ってもらった。
殴る蹴るは当たり前だった
中高時代の部活動
まずは、学生時代の部活で顧問である教師から体罰を受けたというケース。
「中学時代バレー部に所属していました。練習中、男性の先生からボールをぶつけられたり、叩かれたり、ということは何度も経験しています。おまえらは言葉だけじゃわからんからな、みたいなことを言われました。当時は我慢していましたが、今振り返ると明らかに体罰ですよね」(30代男性)
「野球部だった高校時代、体罰を受けていました。エラーやミスをした後にビンタされたり、蹴られたりといった暴力は日常茶飯事。自分の指導がうまくいっていない怒りをぶつけているように思えました。自分だけじゃなくて、チームメイトの誰かがミスをしてしまわないか、いつもビクビクしていましたね」(30代男性)
「中学時代バスケ部に所属していました。他校との試合のとき、相手校の顧問が、選手をボコボコに殴っていたのを見て衝撃を受けました。背中や頭を何度も殴られていて、常軌を逸したような、異常な殴り方でした。試合中も、生徒のミスについてブツブツと文句を言っていて……。他校の生徒や教師が見ている前でもあれだけ殴るのだから、普段の練習では……と思うとゾッとします。当時は子どもだったのでその顧問に恐怖を覚えただけですが、今となってはあの教師に何も言わない他の教師もどうかと思います」(30代女性)
これらのケースは、特に強豪校というわけでもなかったようだ(もちろん、強豪校だからといって体罰が許されるわけではないが)。私立であれ公立であれ、特に中学校では帰宅部が認められず、必ず部活に入らなければならないことも少なくない。消去法で部活を選んだり、「スポーツを軽く楽しみたい」程度の気持ちで入部している生徒も少なくないだろう。その先が、体罰が当たり前のような環境だったとしたらいたたまれない。



