8月に発覚した、バスケットボール男子日本代表選手が公式ウエアを着て起こした歓楽街での不祥事。アジア大会代表の選手たちは事実上、選手団追放となる事態になった。2016年にはプロリーグのBリーグを発足させるなど人気の普及に努めてきたバスケットボール界にとっては大きなイメージダウンとなってしまったが、そもそもプロスポーツの中で、なぜバスケだけは日本で盛り上がらないのか。改めてその理由を考えてみた。(清談社 ジョージ山田)
部活ではメジャーなのに…
プロバスケが注目されない理由
今年8月、ジャカルタ・アジア大会のバスケットボール男子日本代表の数名が、公式ウエアを着たまま歓楽街で買春行為をしていたことが発覚。当該選手への非難の声が高まり、謝罪会見を開く事態にまで発展した。この不祥事によって、国内でのバスケットボール人気は、また少し遠のいてしまった感がある。
そもそも、バスケットボールは日本男子の3大部活に数えられ、野球、サッカーと肩を並べるメジャーな存在だ。にもかかわらず、プロリーグや選手の知名度も低く、メディアで取り上げられる機会もサッカーや野球と比較すると圧倒的に少ない。
バスケットボールの国内競技者登録者数は62万人(男女含め)といわれており、これはサッカーに次ぐ規模になる。それでもなお日本国内で人気が出ない、メジャースポーツになりきれない理由はどこにあるのか?
「現状、日本チームが外国チームに匹敵するほどの実力を持っていないことが、人気に大きく関係しているでしょう。サッカーや野球のように、世界と渡り合えるようにならないと、スポーツとして人気を得るのは難しいのです」
そう話すのは、バスケットボール解説者の島本和彦氏だ。そもそも、バスケットボールで世界の強豪を相手にするためには、技術の問題以前に、小柄な日本人が多いため体格面では限界があるという。
2020年の東京五輪を控え、バスケットボールをメジャースポーツ化させるためには、やはり海外との戦いは無視できない。今回のサッカーW杯の盛り上がりを見ても、国ごとの対抗戦は最も盛り上がるイベントだ。その点、バスケットボールには身長面で大きな選手がいないという大きな障壁が存在している。