この場合は、男性が心を閉ざしてしまう前に、できるだけ早く男性としての役割、夫としての役割を再確認できるような時間を持つことが大事だ。

 まずは、2人で食事をしながらでもいいので、女性側から仕事の悩みを夫に伝えるなど、同じ目線で情報を共有し合い、夫を頼りにしていることを伝えることが重要だろう。そして、仕事以外でも将来のビジョンを語り、夫婦がお互いに助け合っていかなければ、長期的に見てビジョンの実現が厳しくなることを理解し合うことが解決のカギだ。

(2)主導権争いの「見栄張り」タイプ

 Bさん(男性45歳)は会社を辞め、独立して3年目。妻は子育てが落ち着き、親の協力も得られるようになったので、今までやっていた広告関係の業務委託などをフリーで受け始めた。

 ところが独立後、順調に業績を伸ばしていたBさんに環境の変化があり、売り上げが減り始めてしまった。一方で妻のほうは、大口のクライアントがついたこともあって仕事が順調に増えて忙しくなり、家事を夫に頼むことが増えてきた。

 この段階で家事や子育ての時間を補い合うように夫婦で協力していければよいが、Bさんは妻をライバル視するようになる。自分の売り上げをもっと上げなければと焦り始め、「俺だって忙しいんだ。この仕事は断われないから……」と、夜も遅くなりがちという。

 このケースは、競争社会の中で、面子や体裁など外側からの評価を気にしてきた男性に多く、妻と張り合って主導権争いに陥ってしまう「見栄張り」タイプだ。夫からすると、妻に抜かれたショックと「自分はもっとできるはず」という気負いから、妻からの思いやりの言葉さえも気に障ってしまう。

 年収という数字を自分の評価と考えてしまうとしたら、それは視野が狭くなっていると言わざるを得ない。本当の幸せは、外側の条件ではなく、自分の内面から生まれることから、心の内を解きほぐす時間が必要だ。

 例えば、人生観を語れるような映画を一緒に見たり、一緒に自然の中を散歩するなど、いったん、視野を広げて感動を味わえるような体験が効果的だろう。まだまだ長い人生をどうしたいか、2人でシェアできるようになれば、妻の年収アップを有難いことと捉えて、2人とも次なる目標を目指せるに違いない。