FRBの利上げの行方は?
米国では引き続きFRBが利上げを継続する可能性があるのでしょうか?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 皆さん、こんにちは。三井住友アセットマネジメント調査部です。毎週土曜日に「ビジネスマン注目!来週の経済、ここがポイント」をお届けしています。

 米国において、GDP統計と並んで重要な経済指標のひとつが雇用統計です。米国の中央銀行に相当する連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策を運営するにあたって負っている二つの使命(デュアル・マンデート)が、「物価の安定」と「最大限の雇用」だからです。雇用統計は米国の金融政策の重要な判断材料になるのです。そこで今回は、10月5日に公表された最新の米雇用統計についてまとめてみました。

 雇用統計は、農業を除く40万超の事業所、政府機関を対象とする事業所調査と、約6万世帯を対象とする家計調査の2つのパートからなります。前者の代表的な指標には雇用者数、平均賃金、労働時間等、後者には就業率、失業率等があります。

ハリケーンの影響ありでも力強く雇用は拡大
雇用者数も平均賃金も増加傾向に

 まず事業所調査の雇用者から見てみましょう。非農業部門に属する事業所の給与支払簿に記載された雇用者の数は、前の月に比べ13.4万人の増加となりました。市場が事前に予想していた同18.5万人増を大きく下回りましたが、もともと雇用者数は月ごとの振れが大きいのが特徴です。

 しかも、9月は東海岸を襲ったハリケーン“フローレンス”の影響を受けている可能性が高いと考えられます。事実、家計調査によれば、29.9万人が悪天候の影響による就業不能者とされました(非農業、同統計は未季調、つまり季節調整がかかっていません)。当該事由による10月の就業不能者数の過去10年間における平均は20.0万人ですから、ハリケーンの影響は相当に大きかったといえます。

 このように雇用者数は月次の振れが激しいため、3ヵ月および6ヵ月の移動平均をとると、過去2ヵ月の実績値が合計で8.7万人ほど上方修正されたこともあり、それぞれ19.0万人増、20.3万人増となりました。足元の雇用の基調は月平均20万人前後のペースで増加していると判断されます。米国の場合、失業率を悪化させないために必要とされる雇用の増加数は月間10?15万人程度ですから、力強い拡大と言えるでしょう。