「トップ営業マン」と呼ばれる人たちは、総じて接客時間が長い。1~2時間もザラである。このため、多くの営業職は、顧客に対して「長く」「細かく」話をする方が売れると考えているが、本当だろうか。筆者の体験も踏まえて検証してみよう。(営業サポート・コンサルティング代表取締役、営業コンサルタント 菊原智明)
長く細かく説明すれば
売れるというのは間違い
多くの営業マンが「長く説明しないと売れない」、もしくは「こと細かに伝えた方が契約は取れる」と思い込んでいるだろう。
しかし、それはまったくの誤りである。実は、長くなればなるほどお客様の購買意欲は下がり、買ってくれなくなるのだ。
なぜ、そう断言できるのか。
それは私自身が嫌というほど味わってきたからである。私はハウスメーカーの営業マンとして入社して7年間、鳴かず飛ばずのダメ営業マンだった。クビにはならなかったものの、いつも成績は最低ランクだった。営業会議では「標的」にならないよう、いつも気配を消していた。
ダメ営業マン時代の私はというと、まったくやる気がなかったわけでもない。営業センスがないながらも「スキルを上げて、なんとか契約を取りたい」と考え努力をした。
例えば、お客様に対して長時間、商品説明できるように毎日トークを練る、もしくは後輩をつかまえてお客様役をしてもらい、ロープレをしたりした。