世の中は、イベントに乗じて女を口説く“ジョージ男子”であふれている。イベントに乗じていいのは、大学生の学園祭やサークル合宿までだ。筆者の先輩で、サークル合宿のたびに乗じようとする男がいたが、笑い話で済んだのは我々がまだ若かったからである。社会人になってから、なにかにつけて乗じようとする男は、ただの軽薄な輩か、女性の指摘する通り、普段はまともに口説けない器の小さい奴に思われてしまう。

 筆者の友人は、彼らのことをジョージ・ルーカス(乗じるカス)と呼んでいるそうだ。

男が乗じることができなくなっている現代の事情

 1つ断っておかなければならないのが、クリスマスや誕生日など、2人でデートしているときに告白するなどの行為は、“乗じる”ことに入らない、ということだ。なぜなら、それはただ、その場の雰囲気を演出として上手に使っているに過ぎないからである。

 問題なのは、フェスやゲレンデといった不特定多数の男女が集まる場所で、どさくさに紛れて乗じてくる男だ。フェスやゲレンデには、魔物がすんでいる。ゲレンデでは魅力的に見えていた男が山を下りればただの人、なんてことはよく聞くエピソードである。

 そういった、その場所でしか発生しない“魔法”を使って、女を口説こうとする男は昔から存在する。しかし、あらゆる情報にアクセスできる現在では、そうした“魔法”も、すぐにネタがバレてしまい、以前のようには通じなくなってきている。にもかかわらず、相も変わらずイベントに乗じようとする男に遭遇すると、女は自分が雑に扱われた気持ちになる。

 携帯電話とインターネットが普及した今、現実から断絶された空間なんて、無人島にでも行かない限り存在しないのかもしれない。フェイスブックを開けば、相手の情報なんてすぐに調べることができてしまうし、恋人がいる女も「今日だけはフリー」なんてことには、なかなかならない。どこにいたって、現実と地続きの空間にいるからだ。

 そういう意味では、“ジョージ男子”に乗じる隙を与える「特別な空間」は、発生しにくくなっている。イベントの雰囲気が作り出す「祝祭的な空間」を利用することが難しくなっているのである。それを理解しないでやみくもに乗じようとすると、ただの“痛い男”になってしまうのだ。TPOをわきまえないガツガツしたジョージ・ルーカスは女に嫌われる。

 ちなみに、さまざまな女性に聞き取り調査をしてみると、女性は「あ、こいつ今、乗じてきたな」という瞬間がわかるそうである。スマートに口説いているつもりでも、“ジョージ男子”はほとんどの場合、それが見破られている。“乗じる”という行為が女から見て軽率に感じたり、自分が雑に扱われたと感じたりしてしまうのは、男のそうした稚拙な恋愛作法のせいなのかもしれない。乗じていることがバレている“ジョージ男子”は、成人のふりをしてアダルトビデオを買いに行く中学生のようなものである。

 近々のイベントでは、ハロウィンパーティーでも“ジョージ男子”が出没しやすいので気をつけてほしい。女性は、仮装の下にある、彼らの本性を十分に見極める必要がある。