トヨタとソフトバンクの提携は大きな話題を呼んだトヨタとソフトバンクの提携は大きな話題を呼んだ Photo:REUTERS/AFLO

大きな話題を呼んだ
トヨタとソフトバンクの提携発表

 日本の時価総額1位のトヨタ自動車と2位のソフトバンク(発表時)が手を握るという10月4日の提携発表が大きな話題を呼んでいる。両社による新たなモビリティサービス、MaaS(マース)の構築に向けた提携発表は、豊田章男社長と孫正義社長兼会長の対談で締めるという演出も効果的だった。

 それから2日後の6日の土曜日には、日本自動車工業会主催の東京モーターフェス2018が行われ、ここで自工会会長を務める豊田章男氏とタレントのマツコ・デラックスさんとのトークショーが開催された。そのサプライズゲストとして孫氏が登場し、豊田章男・孫正義両氏の蜜月関係を強調するものとなった。

 トヨタ・ソフトバンクの提携による合弁新会社「モネ テクノロジーズ」の設立は、100年に一度の大変革期を迎えている自動車産業がCASE(ケース)と呼ばれる、コネクテッドカー・自動運転・シェアリング・電動化の次世代技術への取り組みを広げる中での、異業種連携の一例と言えよう。

 両社の提携は、この環境の中で若手技術者同士の交流から芽生えたものを、両トップが即断した形だが、豊田章男社長によれば「モビリティの将来に対するビジョンが一致した」という。

 一方でソフトバンクは、かねて情報革命・モビリティ革命・エネルギー革命を「ゴールデントライアングル」と名付け、その中でプラットフォーマー(基盤提供者)になることを経営戦略の核と位置づけている。

 その一環として自社で運営するソフトバンク・ビジョン・ファンドを通じて積極的な投資を展開している。米ウーバーや中国滴滴出行など世界の大手ライドシェア企業に出資、今年6月には米GMの自動運転子会社クルーズにも22億5000万ドル(約2400億円)を出資して約2割の出資比率を持っている。