レジ袋有料化を推し進める国の環境対策に「あと1つ足りない視点」
環境省が、小売店で配布されるレジ袋の有料化を義務付ける方針を固めた。この方針には、どんな視点が欠けているだろうか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

レジ袋の有料化義務付けは
環境対策にどれだけ役立つか

 環境省が、スーパーやコンビニなどの小売店で配布されるレジ袋の有料化を義務付ける方針を固めたそうだ。想定しているのはレジ袋1枚あたり数円。目的は海に流出した廃プラスチックによる環境汚染対策や、パリ協定に関連した温室効果ガス削減だ。

 もともと日本のスーパーでも、独自にレジ袋の有料化に踏み切ったケースは少なくない。イオンの場合、5年前からレジ袋の無料配布を取り止めた。現在では、中サイズのレジ袋が1枚3円、大サイズのレジ袋が1枚5円。しかも、バイオマス素材のレジ袋を使用することで、温室効果ガス対策に一定の配慮をした対応になっている。

 こうした取り組みを行っているスーパーでは、レジ袋を辞退する人が約半数にのぼっているという。それだけの効果があるということで、環境省は日本全体での義務化に踏み切ろうと考えているのだろう。

 実はこの取り組み、海外と比較して1つ重要なことが欠けている。このままのやり方では、レジ袋の有料化に踏み切っても効果が出ないことが懸念される。その謎解きは本稿終盤で行うとして、まずは状況を整理しよう。

 報道によれば、日本国内で配布されるレジ袋を合計すると年間450億枚になるという。国民1人あたり毎日1枚のレジ袋を持ち帰ると、ちょうど1年でその数になる。この数字にこだわって、状況分析をしてみたい。

 私が都会に住んでいるせいだろうか。生活感覚的には、毎日3枚はレジ袋を持ち帰っている気がする。今朝も出勤する途中でコンビニで1枚、昼過ぎにドン・キホーテで雑貨を買って1枚というように、買い物するたびにレジ袋が手に入る。都会生活においては、感覚的には1日1枚では少なすぎる感じだ。

 しかし、統計上、1人につき1日1枚となっているということは、私とはライフスタイルが違う一定数の人口がいるということだろう。1日3枚使う人が人口の3分の1で、レジ袋をまったくもらわない人が人口の3分の2であれば、計算上は日本のレジ袋消費は、1人につき1日1枚ということになる。