日本製紙が力を入れる「シールドプラス」2017年秋以来、日本製紙が力を入れる「シールドプラス」。酸素や香りを通さない新型包装材として、既存のプラスチック製品とのリプレイスを狙う。世界の市場を目指しているはずなのに、なぜか“持ち帰り”の表記は和製英語のまま 写真提供:日本製紙

 低迷が続く洋紙事業の立て直しにもがく日本製紙で、8月1日より変わった名称の組織が発足した。

 その名も「紙化ソリューション推進室」。7月上旬、世界中でコーヒーチェーンを展開する米スターバックスが、使い捨てのプラスチックごみの海洋投棄に起因する環境問題の高まりを受け、プラスチック製のストローを2020年までに段階的に廃止する方針を発表した。

 こうした動きを受けて、国内で最大手の洋紙メーカーである日本製紙は、社内に特命チームを立ち上げ、世界で起きている環境問題の解決に乗り出すことにした。

 もっとも、先進国を中心に環境に悪影響をもたらす海洋プラスチックごみの問題が注目されているといっても、話は簡単ではない。

 これまで、ハンバーガーチェーンの米マクドナルドなどがプラスチック製のコップやストローなどを採用してきたのは、「シズル感(飲み物としての瑞々しさ)が出て美味しそうに見えること以上に、大量購入方式で圧倒的にコストを下げられるから」(商社)だった。