タワマン高層階は
地上よりさらに被害が大きい

 では具体的に、どの程度の影響があり得るだろうか。

 新ルート開設によって、国交省が想定する地域ごとの高度と騒音レベルは以下の通りだ。渋谷駅周辺は高度600mで最大74dB(デシベル)、五反田・品川駅周辺は高度450mで76dB、大井町駅周辺に至っては高度300mで80dBとなる。

 70dBといえば、「電車の車内」「掃除機の音」「ステレオ」(正面1m、夜間)「騒々しい事務所の中」といったイメージ。80dBともなると「地下鉄の車内」「ボーリング場」「交通量の多い道路」「機械工場の音」などと同等であり、日常会話がかき消されてしまうほどうるさい。

 駅前や繁華街などの商業系地域はまだしも、松濤・青山・代官山・白金・御殿山などの代表的な高級住宅街でこうした騒音が毎日発生するのだ。特にタワーマンションの場合は、高層階であるほど騒音被害を受けるだろう。40階建てのタワマンなら、最上階はおよそ地上120mである。例えば品川区で40階にあるタワマンの部屋だと、飛行機との距離が330mしかない。

 こうした懸念に対して国交省は「不動産価値については、周辺の騒音等の環境面や立地、周辺施設等の地域要因だけではなく、人口の増減等の社会的要因、財政や金融等の経済的要因、土地利用計画等の行政的要因、あるいはそもそもの需要と供給のバランスなど経済情勢を含めた様々な要素が絡み合い決定される。従って、航空機の飛行と不動産価値の変動との間に直接的な因果関係を見出すことは難しい」と、ひとごとのような回答をしている。