米テスラは目下、中国で渋滞にはまっている。追い越し車線への移動も同社の思うようにはいかないかもしれない。中国が米国からの輸入車に対する関税を25%から45%に引き上げた7月以降、テスラは米中貿易摩擦の大きな犠牲者となっている。他の米自動車メーカーが中国に生産拠点を構える一方、テスラは米国内での生産のみだ。つまり、中国で販売されるテスラ車の価格は、米国内と比べて約60%増しということになる。ウォーレン・キャピタルのデータによると、中国に輸入されるテスラ車は今年1-6月期(上半期)は月平均1500台前後だったが、7〜8月は同260台まで急減した。テスラはその穴にはまり込むのを避けるべく、中国で初の工場建設を目指している。同社にとって中国は、昨年の売上高の約17%を占める世界第2位の市場だ。テスラはこのたび、工場建設に向けて、上海に210エーカー(約85万平方メートル)の土地を購入した。最終的には、年間生産能力50万台を目指す。予定通りに行けば、中国で完全自社所有の工場を持つ初の外資系メーカーとなる。
テスラの「チャイナドリーム」、まだ遠い道のり
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