ビジネスマンにとって人脈はかけがえのない財産。いざというときにコミットしやすい人脈を作っておけば、仕事で有利になるのは間違いない。しかし、ノープランで交流会やセミナーに参加しても、いい出会いやつながりは得られない。人脈構築には、ある“秘策”があるのだ。NASDAQに上場している外資系IT企業「ライブパーソン(LivePerson)」の日本法人代表として働く傍ら、多数のビジネス書籍を出版する金田博之氏に聞いた。(清談社 島野美穂)
交流会でいい人脈を作る
意外なコツとは?
ビジネスマンの交流会で、いい縁を作るためには「相手のメリットを第一に考えるべき」と金田氏は話す。
「ビジネスマンの交流会では、その場にいる全員が人脈を作りに来ています。みんながみんな同じ目的なので、そのなかで印象づけるためには、ほかの人との差別化をはからなければなりません」
差別化といっても、インパクトのある自己紹介や、派手なスーツで参加しろというわけではない。「相手の気持ち」になって、どんな人物とつながりたいかを考えたら、おのずと答えは出る。
「自分が、相手にどんなメリットを与えられるか。これに尽きます。出会いを求める人は少なからず、自分に何か与えてくれる人を求めています。ざっくばらんに言ってしまえば、ビジネスに役立ちそうなスキルや、課題解決のための手段などを持っていることをうまくアピールできれば、いいつながりは作れるはずです」
金田氏の理屈はよくわかる。誰だってそれができれば、難なく人脈は作れるはずだ。とはいえ、自分ひとりの力では限界があるものだが…。
「もちろん、そうでしょう。そこで、もう一つの秘策があります。交流会には自分よりも優れた人、デキる人を連れて行ってください。それが、新しい人脈を作るコツです」
自分よりスゴい人と交流会に行くこと。これこそが、金田流・人脈構築術のキモなのである。
『自分よりも優れた人』とはどんな人だろうか?自分よりも役職の高い人、大企業に勤めている人、はたまた、圧倒的なルックスを持って目を引く人、しゃべりが抜群に達者な人、などなど、いろいろな考え方があるだろう。
いずれにしても、自分より魅力的な人を連れて行くことは、かえって自分が引き立て役に終わってしまうだけと不安になるかもしれない。しかし金田氏は、「新たな層の人とつながるには、そのコミュニティの中に入っていくほか道はない」と言う。
「学生時代のコンパを思い出してください。自分が一番カッコよく見られたいという気持ちから、わざとやぼったい人をメンバーに入れようと企んだ経験はありませんか。ところが、それをしてしまうと、限界値が“あなた”なので、あなたの想像を超える出会いはやってこないのです」