Jリーグでは公式Facebookのタイ語版も運用しているが、そのフォロワーは34万人(全てタイ人)を超えており、まもなく35万人に到達。日本語版を上回る数にまで成長している。チャナティップ選手の練習初日の様子をライブ配信したところ、300万人以上のタイのファンにリーチした。これは札幌市の人口(約200万人)を上回る数であり、一度のライブ配信でもう一つのホームタウンを得たと言っても過言ではない。

 タイでは毎週札幌の試合を中心に明治安田生命Jリーグが生放送されており、その視聴率も非常に好調である。2018年はサンフレッチェ広島、ヴィッセル神戸でもタイ代表の中心選手が活躍しており、彼らのグッズもタイにて販売、好調な売れ行きを誇っている。

サッカー界のグローバル競争は待ったなし

 水戸も札幌も責任企業(事実上の親会社)を持つようなビッグクラブではなく、予算規模も比較的小さい地方クラブである。地方は人口流出が著しく、地域だけを市場とした成長・収益拡大は非常に難しい。だからこそ、アジアに活路を求めた。その結果、海外に目を向ける地元自治体に新たな価値を還元することに繋がり、さらには新たなスポンサー獲得など事業収入にも繋がっている。Jクラブは世界と地元を繋ぐハブになることができる。目線を少しアジアにずらせば経済成長真っただ中の未開のフロンティアがそこにはあるのだ。

 アジアには間違いなくポテンシャルがある。既に多くの欧州リーグ・クラブが現地に拠点も構え、金稼ぎに必死になっている。後発であるJリーグは彼ら以上に積極的に出ていかなくてはいけない。現場に身を置く筆者の感じるところでは差が縮まらないどころか開いていってしまう気がする。サッカー界におけるグローバル競争は待ったなしである。

(株式会社Jリーグマーケティング 海外事業部 小山 恵)