AIの発達した近未来では、遺言を書くために必要なものは、マイナンバーカードと、SNSのメッセージやメールなどがあればよいということになるかもしれません。
しかし、ネックになるのは法律です。
AIが発達した近未来でも、民法は厳格にルールを守り続けている可能性が高いでしょう。自筆証書遺言の場合は、民法第968条「自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない」に則って、要件緩和された財産目録部分の添付等を除いて、あくまでも遺言者が自筆で書かねばならないのです。
そのため、AIが原案を作成し、それを基にあなたの自筆で清書するという作業が必要になるのではないかと思われます。
そういう意味では、巷で言われるようなビデオ遺言やメール遺言の実現には程遠く、まだ当分、遺言のカタチは現状維持のままであるのかもしれません。