中国では「一帯一路」構想も進む。「日本は『一帯一路』構想に乗り遅れまいと、プロジェクトベースでの協力をやりたがっている」(メガバンクOB)と語るように、第三国でのインフラ建設の受注でコスト競争力が出せない日本は、“中国との連携”に大きく舵を切った。

日中の立ち位置はすでに逆転

 この40年の節目で取り戻した「友好ムード」に、安倍首相は「日中関係は新たなステージに入った」と前向きだが、従来と根本的に異なるのは、日中の立ち位置はすでに逆転しているという点だ。

 2017年時点で、中国の名目GDPは約12.0兆米ドル。アメリカの約19.5兆米ドルに次ぐ第2位の経済大国だ。第3位の日本は約4.8兆米ドルであり、2010年に中国に第2位の座を奪われて以来わずか7年で約2.5倍もの差をつけられた。

 その中国は数々のイノベーションを生み出し、2025年には世界の製造強国となり、半導体や航空機のみならず、ロボットやEVなどの新興産業で「中国が主導権を握る」という方向性を明確に打ち出している。

 2017年11月、中国・北京で開催された日中の経済協力をめぐる会合も、そんな空気に包まれた。「中国側の発言には、(進んでいる)中国が(遅れている)日本にノウハウを教えてあげましょう、というニュアンスさえありました」と、参加者のひとりは日中の立場の変化を振り返る。

 日中の激動の時代をくぐり抜けてきた商社OBは「日本は中国の大きな傘の下で商売をする時代になった」と語る。「日中の新たなステージ」は、こうした転換点をも迎えたことを意味している。

アメリカは中国に屈しない

 他方、アメリカは中国が描くロードマップ「中国製造2025」に対し、相当な危機感を持っている。中国がコア技術を握れば、アメリカ企業の存在価値は薄れ、世界市場で競争力が保てなくなるからだ。

 それを象徴するのが、深センの通信機器メーカー・中興通訊(ZTE)への措置である。米商務部は、米国企業がZTEに最先端の米国産部品を供給することを禁止した。外国企業による買収を国家安全保障の観点から審査する対米外国投資委員会(CFIUS)もまた、今年4月にさらにその権限を強化した。