基本的に、ガンドゥーラをまとって体にべたべたとくっつくのはみっともなくみえる。のり付けをしたように「びしっ」としているのがベストだ。

専門店で売られているトーブ
「びしっ」としているのがベスト

 そのため、中東の中でも、湿気の強い沿岸諸国では、湿気を吸ってもしなっとしない、パリッと硬めの生地が選ばれる傾向にある。

 沿岸部であるクウェートは、白だけでなく、パステル調の色が好まれる唯一の地域。微光沢感がありつつ、ややハリ感のある風合が好まれるという。アラブ首長国連邦のドバイでは、微光沢感のあるソフトな風合が人気だが、同じ沿岸部でも、カタールでは光沢感が強いものが好まれるのだという。

 一方、内陸部では、涼しげで柔らかい生地が好まれる傾向にあるという。トーブの売り上げがもっとも高いサウジアラビアでは、国内でも湿気の高い地域と低い地域で好まれる風合いが変わる。リヤドを中心とした内陸地は微光沢感のあるソフトな風合いだが、紅海沿岸となるジッダの一部では、ハリ感のある風合が主流になる。

お国柄と個人の嗜好で
100を超える「白」から選ばれる

専門店に並ぶトーブ
専門店に並ぶトーブ

 そうしたお国柄に、個人の嗜好が加わる。

 例えば色味をとってみても、白に限定しても、スノーホワイトからやや青味のあるものまで100を超える「白」があるからだ。

 生地もさまざまある中、さらに小松マテーレのオリジナル加工が約60種類あり、こだわりのトーブが生まれるというわけだ。

 ユニクロは「フリース」や「エアテック」という素材によって、世界中で大ブレークした。「日本企業は、海外のメゾンにデザインは勝てない。むしろもともと強い分野であるテキスタイルでなら勝負できる」と池田社長は断じる。

 中東では女性の着用するものは男性以上に規律が厳しいが、いずれ少しずつファッションが解放されてくる可能性はある。中東のファッション事情が日本企業にも影響する時代が来るのかもしれない。