今ではGive Firstを心がけている私ですが、反対にGive First していただいたこともあります。私の勤める企業では、ある事務処理をオンラインで手続きする必要があるのですが、とにかく私はその手のタスクが苦手。悩んでいたところ、「私、慣れていますから」と他部署の知り合いが手伝ってくれました。

 その方にとっては「ちゃちゃっと片づけられる」レベルのタスクだったのですが、私からすれば「救世主現る!」といったところ。もちろんこのGive First は効果絶大で、それからというもの、私はその方からの依頼はトッププライオリティーで処理するようになりました。こうなるとスムーズな「Give & Take」の関係が出来上がり、部署を越えた人間関係が構築されます。

 さらにそこから「あの人はこのタスクが得意」「人を助けてくれるすてきな人」というプラスの情報が私の部署内でも共有されて広がっていき、結果として社内での評判が上がっていくわけです。

 では、難しい仕事はどうでしょうか。もちろん、これもチャレンジする価値はあります。しかし難しいタスクをやろうとすれば、当然のことながら失敗したり、時間がかかりすぎたりするなどのリスクは高まります。

 ですので、難しい仕事を手伝う場合は「セーフティーネット」を用意しておくといいでしょう。何かを引き受けるときに、自分よりも圧倒的にその分野に長けている人に声をかけて「困ったときに助けてください」という約束だけ取り付けておくのです。

 それは「いざとなったら丸投げして逃げる」という意味ではなく、「自分の力が及ばないときだけ手を貸してもらう」というやり方で、サポートする側の負担を減らしつつ、自分の成長にもつなげるという考え方が大事です。

 たいていの場合、ある分野において達人の領域にまで踏み込んでいる人は、忙しい中でのサポートも超短時間でできる可能性が高いものです。そのサポートを受けることによって、その人のスキルを伝授してもらったら、次からはある程度、自分でできるようになるのです。

 完全にコピーできなくても、トップスキルの人の70%程度の出来でも十分でしょう。それでも十分に「バックアップ」人材のポジションを狙えます。自分が他の人にGiveしつつ、また他の人のGiveを受けつつ、次の段階ではさらなるGiveができるようになる。そうすることで、幅の広いスキルを身につけることができ、ビジネス人材としての価値を上げることができます。全てにおいてスーパーな能力を身につけなくても、多くの人にある程度のクオリティーでもGiveができる状態になれば、社内に多くの味方をつくることができるのです。