新卒採用において、企業が大学名でふるいをかけて選考する「学歴フィルター」。就活中の大学生の間ではよく聞かれるワードだ。たびたびネットで炎上したことにより、企業も人物重視に方針転換するとうたっていたはずだが、近年になって再び学歴重視に回帰しているという。20年以上にわたって、就活業界で学生の指導に取り組み、著書『学歴フィルター』(小学館新書)がある福島直樹氏に詳しい話を聞いた。(清談社 福田晃広)

低偏差値大学出身だと
会社説明会すら受けられないことも

学歴フィルターに復活の兆しがあります。
学歴フィルターを復活させる企業側の狙いを知れば、低偏差値大学の学生であっても勝ち目のある戦いをすることができます(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「学歴フィルター」が就活生の間でうわさになり始めたのは2010年前後から。その後、2015年に、ゆうちょ銀行の会社説明会(セミナー)において、中堅大学の就活生によってツイッターに投稿された申し込み画面の写真2枚が物議を醸した。

 その男子学生がアップした1枚目の写真は、自分の所属する大学名で申し込もうとすると、画面が「満席」と表示されてしまったもの。ところが2枚目の写真は、東京大学で申し込んだもので、「予約可能」と表示されているのだ。これによって「学歴フィルター」が実際に存在したことが明らかになり、ネット上で炎上騒ぎとなった。

 今年の3月にも、帝京大学の女子学生が同様の“告発”をしている。企業名は伏せられていたものの、帝京大学で説明会に申し込むと、「満席」で予約できなかったのだ。満席になるにはあまりにも早すぎると思った女子学生は、早稲田大学に変更してアクセスしたところ、「予約可能」となり、そのことをツイートすると、2万件以上もリツイートされ、大きな話題となった。

 相次ぐ「学歴フィルター」の実例だが、最近では企業も前とは違った動きを見せていると、福島直樹氏は指摘する。

「たとえば、企業側がMARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)以上の学生だけを集めた会社説明会を開催した場合、参加した学生の間で『高学歴の人しかいないな』などとSNSなどに投稿され、うわさがすぐ広がるとイメージが悪くなります。なので、言い方は悪いですが、平等に機会を与えている証拠として中堅大学、低偏差値大学の学生も少数ですが、しっかり枠を設ける企業がほとんどです」(福島氏、以下同)