重要性が増している筆記試験の成績
SPI3や一般常識対策を徹底せよ

 ただし、「企業が好きなのは、高偏差値大学出身の学生である」と考えるのは間違っていると、福島氏は言う。

「企業が学歴フィルターを使うのは、前述したようにあくまでも効率的に優秀な学生を採用したいというのが理由。低偏差値大学出身だったとしても、優秀さをアピールできれば、有名企業に入ることも可能です」

 では、低偏差値大学の学生は、いかにして優秀さをアピールできるのか?福島氏は、低偏差値大学から一流企業に入るためにまずすべきこととして、筆記試験対策を挙げる。

「3年生のときから、徹底的にSPI3や、一般常識テスト対策に全力を注ぐべきです。私は今まで相談に乗ってきた学生には、筆記試験の勉強を頑張るようにアドバイスしてきました。高偏差値大学の学生がいい成績でも、人事は驚きませんが、低偏差値大学の学生が同等の点数を取れば、必ず面接の際にも聞かれて好印象のようです」

 最近では、前述のような炎上リスクを踏まえて、会社説明会の前にエントリーシート提出や、WEBでの筆記試験も課せられ、その点数なども加味して選考するので、筆記試験の重要度は以前よりも増しているという。

 また、一部の企業ですでに行なわれているAIを活用したエントリーシートの書類選考では、学歴含め、個人情報はすべて除いた内容のみで判断しているともいわれている。

 現状では、学歴は決して軽視できない指標だと考えている企業は少なくない。しかし、将来的には学歴不問の企業が再び増えていく可能性も十分にありそうだ。企業は偏差値の高い大学の学生を採用したいわけではなく、あくまでも優秀な学生を採用したいだけ。特に低偏差値大学の学生は、このことを胸に刻んで、筆記試験対策を万全に行って就活に臨むべきだ。