「スタンドパイプ」や「D級可搬ポンプ」の使い方については、積極的に導入を進めている市区町村の公式サイトが参考になります。

「初期消火」が火災被害を大幅削減できる

 早いうちに圧倒的な水量で消火できればほとんどの火災は抑えられます。

 火災発生直後の火元の小さいうちに、火元の近くにいる人によって初期消火できることで、火災による被害を大幅に削減することができます。

 残念ながら、昨年2017年2月に発生した埼玉県美芳町の物流倉庫大火災(アスクル火災)では、20本以上の消火器で初期消火に失敗して、最後に屋外消火栓(350L/分)での消火を試みましたが、起動ボタンを押していないためわずかな放水量しか出ず、拡大延焼してしました(※詳しくは、入間東部地区消防組合消防本部「埼玉県三芳町倉庫火災活動記録」を参照)。

 仮に最初から屋内消火栓、屋外消火栓を正しく操作できていれば1階の端材室のみの火災で消火できたものと推察されます。ボタンを押さないがための被害です。

 消火器や消火栓の使用方法・消火方法・2次災害防止などは小学校高学年から授業で必須科目にするべきです。地元消防団が指導すればより地域の結束が高まります。子供が防災に興味を持てば必然的に親も無関心ではなくなります。このようなところに税金を正しく使えば災害対応のコストパフォーマンスは高くなるはずです。

 子供の時期から消火設備に慣れておけば悪戯も減るでしょう。一人前の大人が消火栓も使えないなんて「ぼーっと 生きてんじゃねえよ!!」と5歳の子に叱られますよ。

【参考】
「BCPのSOS」
第三者の目線でBCP診断をする「セカンドオピニオンサービス」
http://bcpsos.rescueplus.jp/

熊谷 仁氏
熊谷 仁/災害対策コンサルタント。1989年から災害対策コンサル業務を開始。主に自衛消防隊の教育訓練を得意とし、発災後時系列による対応の優先順位付けや、BCPを円滑にスタートさせるための初動対応(ダメージコントロール)といった考え方を提唱。現在の災害対策のスタンダードとなっている。1995年から消防団員として災害現場へ多数出場。株式会社レスキュープラスCEO、株式会社グリーンケミー取締役(備蓄食料品製造)、東京消防庁本田消防団団員。
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