プロフェッショナルの世界には、昔から、怖い言葉があります。

「下段者、上段者の力が分からない」

その言葉です。

これは、プロフェッショナルの世界では、自分よりも優れたプロフェッショナルについては、そのプロが、どのような世界で、どのような技を発揮し、どのような力を発揮しているのかが分からない、という意味の格言です。

すなわち、仕事の世界には、必ず、「もっと高い能力が求められる仕事」「もっと広い視野が求められる仕事」「もっと深い視点が求められる仕事」があるのですが、そのことに気がつかないため、これまでの「実績」に満足し、「現在の自分」に安住してしまい、成長が止まってしまうのです。

言葉を換えれば、いわゆる、「小成に安んじてしまう」のです。

このように、「実績」という落し穴もまた、優秀な人ほど陥りやすいと言えます。

従って、もし、あなたが、何年かの努力を経て、現在の仕事に熟達し、周囲からもそれなりの評価を受けながら、心の奥深くで、「自分の可能性は、これがすべてなのだろうか」「自分は、もっと飛躍していけるのではないか」と感じているならば、最新刊『なぜ、優秀な人ほど成長が止まるのか』で語っておいた「私淑の技法」を始めとする「成長の技法」を実践されることを勧めます。

自分の中に眠る「大きな可能性」に気がつき、それを開花させることができるでしょう。
逆に、もし、あなたが、現在の仕事に熟達できず、周囲からの評価が低いと感じているならば、同書で述べた「心理推察の技法」を始めとする「成長の技法」を実践することによって、必ず、仕事に熟達するための様々な「職業的能力」を身につけることができるでしょう。

いつまでも過去の「肩書」にしがみつく人

では、第3の「立場」という落し穴とは何か。

ここで述べる「立場」とは、「役職」や「肩書」、「地位」や「身分」など「社会的な立場」のことです。

すなわち、それは、

過去の自分の「立場」に縛られ、新たな「立場」に合わせて自分を変えられない

という落し穴です。

その象徴的な例が、一つの企業や組織に永年勤め、それなりの実績も挙げ、周囲からの評価も得てきたにもかかわらず、定年を迎えてしまった瞬間に「終わってしまう」人です。