米財務省は新年度に1兆3000億ドル規模の起債を予定しているが、アジアの投資家の米国債に対する購入意欲はますます低下しているということが分かってきた。財務省によると、外国人は今年の1-8月期に米国債の保有高を780億ドル増やしたが、これは昨年同期の増加額の半分強でしかないという。米国債の保有高は韓国・シンガポール・タイ・台湾といったアジアの新興諸国で特に伸び悩んできた。そうした国々は1997年のアジア通貨危機以来、米国債を資本の防護手段として高く評価してきたにもかかわらずである。世界の主要な無リスク資産である米国債を保有したいと考えている外国の政府や金融機関、ミューチュアルファンド、個人投資家は多いため、需要を見つけるのに苦労はないと思い込んでいる市場関係者は多い。ところが、一部の地域では米国債の買い手が減少しており、その分の購入はミューチュアルファンドのような国内投資家に任されている。
米国債の需要、アジア新興諸国で縮む理由
自国経済が成熟しつつあることも背景に
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