マラソン大会が激増している。2007年に始まった東京マラソンをきっかけにマラソン大会は増加し続けており、日本最大級のランニングポータルサイト「RUNNET」に登録されている2018年に行われる大会の数は大小あわせて約2676(開催予定も含む)。この10年で10倍以上の数になっている。
一方で、ランナーの数は頭打ちだ。笹川スポーツ財団が行う「スポーツライフに関する調査」によると、ランナーの数は2012年の1009万人をピークに、14年には986万人、16年には893万人へと減少。ランナー頭打ちの一方で、マラソン大会は乱立していることから、参加者が定員に達しないマラソン大会が全国各地で増えているという。
こうした状況下でも、2014年の開始以来、ランナーの数を5倍以上に増やしているのが宮城県登米市で開催されている「東北風土マラソン」だ。
給水所にステーキ、ふかひれスープが!
参加者激増の「日本版メドックマラソン」
東北風土マラソンは宮城県登米市にある長沼という湖を周遊するマラソン大会で、2014年の第1回ではランナーが1300人という中規模の大会だった。しかしその後は、15年3000人、16年4300人、17年6000人、18年6800人と当初の5.2倍にまでランナー数が増加。さらに顕著な伸びを見せているのが大会への来場者総数で、14年の1万5000人から18年には5万3000人にまで増加している。
開始からたった5年の新興マラソン大会が、なぜこれほど人を集められるのか。その背景にあるのが、フランスの「メドックマラソン」だ。
メドックマラソンとはフランスのワインの名産地メドックで毎年行われているマラソン大会で、コース内にある給水所で有名シャトーのワインを飲んだり、ステーキや生牡蠣などをコース料理のように楽しんだりできる。