桐野夏生が見たJKビジネスの危うさ「17歳以下の少女は肉のつき方が違うと目を輝かせ…」Photo:PIXTA
桐野夏生桐野夏生さん(撮影/小原雄輝・写真部)

 貧困や虐待などの問題を抱える少女をサポートする「若草プロジェクト」の設立3周年シンポジウムが青山学院大学(東京都渋谷区)で開かれ、参加した作家の桐野夏生さんらが少女らを取り巻く現状を訴えた。桐野さんは近著『路上のX』の中で親に棄てられ、「JKビジネス」に引きずり込まれる女子高生の姿を描いている。同プロジェクト代表の村木厚子さん、瀬戸内寂聴さんの秘書、瀬尾まなほさん(同プロジェクト理事)らも登壇。桐野さんは取材を進めるうちに、少女たちを食い物にする大人の悪意に衝撃を受けたと明かした。

「作品を書いている最中に、JKビジネスに詳しく、また経営者とも知り合いだという男性に取材をしました。彼らは17歳以下の少女のことを『アンダー』と呼んでいて、目を輝かせながら『肉の付き方が違う』と語り、『買うのではなく、恋愛対象だ』と言うので大変驚きました。その一方で、彼らには、JKビジネスをする少女たちへの差別意識があります。彼女たちは金のためにやっている、と自己責任論に転嫁して、その裏にある事情を無視する。少女でなくなると商品価値がなくなるので、経営者側が風俗やアダルトビデオに移るようにうまく仕向けます。差別意識があるから嗜虐性も高く、少女の尻に自分のイニシャルを刺青したという事件もありました」

 桐野さんがそう口を開いた。