日本企業による
ネット配信サービスの戦略

 日本企業による定額制動画配信サービスはdtv、Hulu、ユーネクスト。アマゾンプライムビデオやNetflixとは異なり、こちらは作品本数などもしっかり公表している。

 国内最大のシェアを誇るdtvは、12万本以上にのぼる作品を放送しており、会員数は2018年6月時点で400万人。実写映画製作に参入し、2018年公開の「パンク侍、斬られて候」を手掛けるなど、オリジナルコンテンツの製作に意欲を見せている。

 日テレ系列のHuluは、放送作品数が5万本以上。有料会員は約172万人で今年度の目標180万人が視野に入ってきた。オリジナル番組制作、映画配信、地上波見逃し配信で人気を得ている。また、オートバイレース「MotoGP」中継で独自アングルに切り替えができる機能を追加するなど、より細かいニーズを持つ顧客層の獲得を目指す。

 U-NEXTの作品数は約13万本とされており、そのうち見放題の作品は約8万本。宝島社が主催する『このミステリーがすごい!』大賞では、関西テレビと共同で「U-NEXT・カンテレ賞」を新設。受賞作品はドラマ化され、関西テレビで地上波放送もされる予定だ。

 さらにMリーグ(プロ麻雀リーグ)参戦で同リーグの中継をするなど既成コンテンツの配信だけではなく、オリジナルコンテンツやサービスで差別化をはかる。

 ネット動画配信サービス業界では、他にもFacebook、Apple、ディズニーといった巨大資本による新興勢力の台頭も目立つ。放送作品数でいえば、日本企業によるサービスのほうがお得感はあるが、今後の勢力図は、オリジナルコンテンツの制作力と、既存メディア(ケーブルTV、専門チャンネル、スポーツ中継など)の取り込みが鍵になっていくだろう。

 そうなると、資金力とブランド力が強力なNetflixやアマゾンが、今後も市場を牽引していくことになりそうだが、このまま2大巨頭の拮抗状態で推移していくのか、新興勢力が風穴を開けるのか、大いに注目したい。