REIT(不動産投資信託)を取り巻く環境が一時的に好転したかに見えた。だが、まだまだ予断を許さない状況は変わらないと見る。
なぜならば、好転の背景が辞任を表明した福田康夫首相が決めた総合経済対策の一環だったからだ。
不動産投信に限らず、不動産を取り巻く環境は世界的に厳しいものがある。主因が米サブプライム問題であり、金融機関の信用不安も台頭したことは周知のとおり。
だが、その影響をあまり受けない日本では、不動産投信の乱立などにより、都内不動産価格の急騰が問題視され、不動産バブルの発生を懸念する声があった。
そこで、金融庁は民間の金融機関などに行なう立ち入り検査で「資産査定」を再び強化。不動産業界ではもちろんのこと、中小企業向け融資を主力とする地域金融機関や、中小企業のあいだでも「金融検査」不況がささやかれる。
そして不動産業界では、やれUSAだ、三都物語だ、はたまた横浜スリーLなどと関連会社の破綻がうわさされ、3月のレイコフから始まり、6月は反社会的勢力との関係が取り沙汰されたスルガコーポレーション、8月には真柄建設やゼファーと続き、9月にはアーバンコーポレイションや創建ホームズなど、業者が次々と破綻、上場廃止に追い込まれ、信用リスクは一気に高まっている。