米動画配信大手、ネットフリックスの勢いが止まらない。有料会員数は右肩上がりで、全世界で1.3億人を突破した。コンテンツに巨額投資する動画配信の覇者に死角はないのか。(「週刊ダイヤモンド」編集部 大矢博之)
「7年前から『こんなサービスができたらいいね』と話し合っていた。やっと組むことができた」
今年5月、東京都内で開催された記者会見。KDDI社長の髙橋誠が笑みを浮かべながら、がっちりと握手を交わした相手は、米動画配信大手、ネットフリックスのプロダクト最高責任者、グレッグ・ピーターズだった。
民放が強い日本では、ネットフリックスの存在感はまだそれほどないかもしれない。だが、いつでもどこでも視聴できる動画配信サービスは、世界で急速に伸びている。米国ではケーブルテレビの契約を切る「コードカット」がトレンドとなっており、代替の筆頭がネットフリックスだ。
カナダのコンサルティング会社、サンドバインの調査によれば、全世界のインターネット通信量(下り)のうち、ネットフリックスのデータが占める割合は15%と堂々の首位。米ユーチューブの11%を引き離し、動画配信の覇者として君臨している。
業績も絶好調で、2017年の売上高は約117億ドル。営業利益率は前年から2.9ポイントアップの7.2%で、今期はさらなる成長を見込む(1)。