ネットフリックスのリード・ヘイスティングス最高経営責任者(CEO)は今年7月、社内研修で目に涙を浮かべながら幹部社員約500人に語りかけた。ヘイスティングス氏は最高コミュニケーション責任者を解雇したばかりだった。解雇の理由は、「Nワード」(黒人を差別する言葉の婉曲表現)をそのまま口に出したというものだった。この幹部は白人で、コメディー番組で使われる不快な言葉についての会議で問題点を指摘しようとしていた。幹部自身はこの言葉について、誰かに向けて言ったわけではないと説明している。この出来事は社内に動揺をもたらした。その後の会社の対応は「ネットフリックス流」企業文化を白日の下にさらした。同社は過激なまでの率直さと透明性を最も尊ぶべき美徳に掲げており、社内では当たり前のように誰かの解雇の是非が議論され、解雇の理由も共有される。
ネットフリックスが誇る企業文化、その光と影
徹底的な透明性と情け容赦ない解雇に不安を感じている社員も少なからずいる
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