急速に悪化する韓国経済を
改善させるどころか満身創痍に

 北朝鮮問題だけではなく、経済についても批判は多い。

『中央日報』は韓国経済の状況を次のように伝えている。韓国の上場企業の7~9月期の営業利益は、半導体を除けば11.4%減少した。自動車や石油化学といった主要業種の不振が続いており、来年はさらに半導体の需要が減ると予想されている。

 また、10月の失業率は3.5%で、先月より0.3%上昇して10月としては13年振りの高水準、就業者比率も数も9ヵ月連続で下落した。今年に入って生命保険の解約数が増加し、カードローンも急増。これは、雇用が減少したことに伴う国民生活の窮乏を意味する。

 文政権の経済政策の軸は「公正経済」「革新成長」「所得主導成長」だ。公正経済によって大企業集中を解消し、中小企業や自営業者、労働者に還元する。革新成長で投資と雇用を増やし、所得主導で経済成長を果たすというものだ。

 しかし、韓国経済は雇用・投資・生産・消費の全てで冷え込んでいる。事実、格付け機関のムーディーズは、今年の韓国経済の成長率予測値を2.8%から2.5%に引き下げ、来年はさらに下がるだろうと悲観的な展望を示している。米国を始めとする世界経済が好調な中で、韓国経済のみが停滞するのは政策の失敗を意味しているといえる。

 特に、所得主導成長政策により労働者に恩恵を与えるとして、今年から来年にかけても2年間、最低賃金を29%も引き上げた。これによって、中小企業の経営者や自営業者は困難を極めており、設備投資は縮小している。

 文政権の大企業に対する拒否反応は特別で、11月の公正経済会議では「大企業イコール不公正・不平等の主犯」との見解を示した。これに対し大手韓国メディアは、「大企業への集中を予防すると言いながら、もう一方では大企業の投資拡大を求める」といった政権の二重性を指摘している。

 確かに韓国経済には構造的な問題もあるが、「検証もしていない所得主導政策を1年半以上も続けて経済を満身創痍にした」というのがほとんどの主流経済学者の評価だ。

 これに対し文大統領は11月9日、副首相兼企画財政部長官に洪楠紀基氏を、大統領府国家調整室長に金秀顕氏を任命し、経済チームを一新した。