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――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 日産自動車のカルロス・ゴーン会長の逮捕は、自動車業界の大物が一人倒れるだけの話にはとどまらない。ゴーン氏がまとめ上げた「ルノー・日産・三菱アライアンス」を伝統的な自動車会社として統合するという野望も打ち砕かれかねない。

 そうした動きを期待していた投資家は19日、大きな損失を被ることになった。一方、主に政治的な理由で統合に反対していた向きは、当面は3社の独立が保証されそうな展開に有頂天になったことだろう。

 とりわけ大きな問題は、3社連合の立役者なしに現状を維持できるかどうかだ。ゴーン氏が主導したコスト削減策に徐々にほころびが生じれば、3社の利益率を圧迫し、株価への圧力がさらに強まる恐れがある。比較的小規模な大衆車メーカーは、単独ではぜい弱な存在だ。

 ゴーン氏はアライアンスの会長だけでなく、3社それぞれの会長と、ルノーの最高経営責任者(CEO)も務めてきた。日産は19日、ゴーン氏が有価証券報告書で報酬を過少申告していたとしたうえで、「会社の資金を私的に支出」するなど、「複数の重大な不正行為」があったと明らかにした。