そう考えると、納得の行く場所がいくつも出てくる。中目黒駅は目黒区の中心になりつつあるし、千代田区の九段下駅は高級住宅地の番町の近くで、花見の名所の千鳥が淵など皇居近くの稀少価値を高めている。また、板橋区の板橋区役所前は都営三田線の駅名になって知名度を上げている。

再開発計画が目白押しの
区役所周辺は値上がりしやすい

◆図表:東京23区の役所のある駅の資産性

東京23区の役所のある駅の資産性の表
(出典)住まいサーフィン 拡大画像表示

 築古の庁舎が多いだけに、役所の近くは再開発されやすいと考えると、その周辺は資産価値が今後も上がりやすいことになる。再開発によって街の資産価値が急上昇するので、マンションは値上がりしやすい。

 渋谷区役所の建て替えには定期借地権の手法を用いて、タワーマンションが建つ。文京区では区役所直結になっている春日駅に、これも駅と直結するタワーマンションが建つ。豊島区では役所の旧庁舎の建て替えが進む。大田区の蒲田駅周辺では羽田空港へのアクセス向上の施策が計画中だ。中野区も庁舎と中野サンプラザの建て替え計画が議論されている。行政の財政難から庁舎建て替えが遅れたりしているものの、渋谷区のような建て替えはこれからも増えていくものと思われる。

 調べていてもう1つ気づいたことがある。区役所の近くはマンションの棟数が多いということだ。庁舎は文京区のように、立派でシンボリックなタワーになることもあり、低層の住宅地ではない。ある程度高い建物が建つ場所なので、近隣でマンションも建ちやすい。20棟以上ある駅が15を数えるし、最大60棟以上の中から選べる駅も複数ある。

 これだけの数があれば、中古で探すには十分な棟数になるだろうし、新築マンションも1年に1棟程度は出てきそうだ。どんなに立地が穴場であっても供給が少なくては選びようがないが、区役所近くはその心配がない。

「役所の近くは資産性のあるマンションの好立地」と覚えておこう。

(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)