この教育費を保有する金融資産(貯蓄と投資額)から賄った場合、最大(教育費は最低)でも600万円しか残らないことになります。この金融資産額だけでは、50代前半で完全リタイア(退職後は一切働かない)した場合、すぐに生活が破綻してしまうと考えられます。あるいは、教育費が平均以上にかかってしまえば、金融資産が残らないケースもありえます。4人の子どもの教育費を考えるだけで、早期退職が金銭面では難しいことがわかります。

 次に、キャッシュフローの状況も見ておきましょう。現在、月間の収支が10万円のマイナス、年間では120万円のマイナスになっています。マイナス分はボーナスで補填されているようです。家族構成などから手取り額は1400万円前後と推測されますので、支出のマイナス分120万円をボーナスから補填していると仮定すれば、年間600万円前後の黒字、言い換えればこの金額が貯蓄に回っているはずです。もし、貯蓄に回っていなければそれ相応の使途不明金があると考えられます。

 Kさんの望み通り50代前半の早期リタイアをすれば退職年齢は54歳。1年後に早期リタイアするとすれば、その時点での保有金融資産は3600万円になります。3600万円から教育費を除くと最大で1200万円残ることになりますが、今の生活費では2年間も持たないことになり、とても早期リタイアできる状況ではありません。

 仮に退職金を額面金額と同額(手取りで)受け取ったとしても、3年弱の生活費が賄えるようになるだけで、59歳あたりで資金が底を突くことになります。日常の生活費を賄うだけで60歳前に資金がショートしてしまうのですから、リタイア後に海外旅行をするなどレジャー費(余暇費)がかさめば、資金がショートする時期は早まることになります。

生活費の15万以上の減額が必須!
ハッピーリタイアメントは厳しい

 ではここで、5年後の58歳で早期リタイアをするプランを考えてみましょう。

 キャッシュフローの推測では年間600万円の貯蓄が可能と試算しましたが、早期リタイア後は生活のダウンサイジングが必要になるため、せめて月の手取額だけで収支を賄うようにしましょう。月の手取りだけで賄うことで、年間の貯蓄額が120万円アップすることになります。そうなれば、5年間で3600万円の貯蓄が可能です。先に述べた教育費の残りを加えると、4200万円が早期退職時に保有できている計算になります。