“サブスク経済圏”拡大で
業種の境目は曖昧に

――サブスクリプション・エコノミーが拡大すると、企業間の競争が激化し、業界の垣根を越えた大再編につながるのではないでしょうか。

 全くもってその通りです。業種の境目は曖昧になりつつあります。Amazonは小売り業者であり、映画会社であり、ソフトウェアメーカーやクラウドプロバイダーでもありますよね。

 これがおそらく未来の縮図である一方、企業は新しい分野に進出する機会を得るのです。メディアがイベント企業へ、あるいはデータ企業がソフトウェアメーカーになる例が多くあります。変革がある時には必ず不安もあります。しかし同時に、企業にとっては成長する機会を見つけるチャンスでもあるのです。

――逆に、多くの企業が一つの大企業に吸収されるような事態とはならないのでしょうか。

 いいえ。確かにAmazonやGoogleのようなテックジャイアントがより大きくなるという懸念は理にかなっています。しかし市場全体として顧客にサービスを提供できる分野は多岐にわたり、そこから成長することができます。

――たとえ小さな新聞社や出版社でも?

 成功を収めている例はたくさんあります。ソフトウェア市場とニュース業界について2つの例を挙げさせてください。ソフトウェア市場において、実際に多くの企業がOracleとSAPに買収されました。

 これは顧客にとって良いことではありませんでしたが、現在、SaaS(Software as a Service:ソフトウェアの必要な機能を必要な分だけインターネット経由で提供するサービス)企業の急増と、そのダイナミックな市場を私たちは目の当たりにしています。これは私が思うに非常に健全な市場なのです。