近年、注目を集めている「定額制サービス(サブスクリプション)」をご存じだろうか。その名の通り毎月決まった金額を支払うことで、さまざまなサービスを受けられる、というもの。電子書籍の「アマゾンアンリミテッド」や音楽ストリーミングサービス「Spotify」など、さまざまな定額サービスが登場するなか、ついにコーヒーの飲み放題を実現した定額制カフェが登場し、人気を集めているという。(清談社 真島加代)

異業種も参入して顧客を奪い合い
「定額制カフェ」登場の背景とは

定額制カフェが続々と登場している
カフェはもちろん、居酒屋にも出てきた「定額制サービス」。背景には、業種の垣根を超えての顧客の奪い合いがある(写真はイメージです)

 プロが入れてくれたおいしいコーヒーを、好きなときに好きなだけ飲みたい…コーヒー好きの人ならば、一度はそんな夢を抱いたことがあるのではないだろうか。じつは近年、そんなコーヒー愛好家の夢をかなえてくれるコーヒー飲み放題サービスを提供する「定額制カフェ」が都心に登場し、話題を呼んでいる。

 定額制カフェとは、一定の月額料金や会費を支払うことで、コーヒー飲み放題や店舗のメニューが割引になる、などのサービスを提供する店のこと。ユーザーにとってはうれしいかぎりだが、材料費がかかる飲食業界では敬遠されそうなサービスに思えるが……?

「定額制カフェが登場した背景には、経営とマーケティング環境の変化や、競争環境の激化が関わっています」

 そう話すのは、経営・マーケティングコンサルタントの新井庸志氏(HPはこちら)。新井氏によれば、定額制カフェが生まれた背景には、外食産業だけでなく小売業界をも巻き込んだ、大きな市場の変化によって、新たなサービスを提供せざるを得ない状況があるという。

「いまや、カフェの競合相手は、同業のカフェだけではありません。数年前から、マクドナルドやコンビニエンスストアもコーヒーに力を入れているように、異業種が参入していることで、競争相手が増加しています。近年では、居酒屋業界でも同じことが起きています。ちょい飲みブームによって牛丼屋やラーメン屋、ファミリーレストランなどでもアルコールを提供するようになりました」(新井氏、以下同)

 このように、業種の垣根を越えて顧客の奪い合いが発生しているなかで、カフェ業界に一石を投じたのが、コーヒー飲み放題を打ち出した「定額制カフェ」だという。