他社との差別化を徹底した
六白としての独自の発想力
安田さんの持ち味である発想力。その代表的なものは、天井まで届きそうに商品を積み上げる「圧縮陳列」、洪水ともいえる手書きのPOP(商品説明カード)といった、いまやドン・キホーテの代名詞ともいえる陳列方法と言えましょう。
これは安田さんが1978年、29歳の時に創業した「泥棒市場」(ドン・キホーテの前身)というディスカウント店舗で、苦肉の策として生み出されたものです。
創業時は、人もいないし店舗も狭い。
だからこそ、倉庫兼店舗としてスペースを使い、商品陳列も単純化するしかないので段ボールに小窓をあけて積み上げる。
このような、これまでどの小売り店舗でもやっていないような独自性のある売り方が消費者の関心を呼び、注目されました。
さらに、驚きの発想力が「ナイトマーケット」の開拓です。
「泥棒市場」が世に出たころの一般の店舗の営業時間は、朝8時から夜は遅くても10時くらいまでが普通。コンビニもこの頃はセブンイレブンが初期で、営業時間は文字通り夜11時まででした。
そんな時代にドン・キホーテは
夜12時まで営業し、
業界の常識を覆す
“夜消費”の市場を開拓した先駆者
となったのです。