非常識を常識化させた
六白としての鋭い現場感

 安田隆夫さんは1949年(昭和24年)5月生まれ。

 ナインコードは「天の六白」です(→どんな人も9タイプに分かれるナインコードは本書参照)。

 天の六白の特性を端的に言うと「大きな視点で核心を見る」ことができる人で、リーダーとしての気質に富み、統率力と指導力を持ったリーダーになれる人です。

 ドン・キホーテの設立から今日までの躍進ぶり(2018年6月決算は設立以来29期連続の増収増益)を見ると、老舗百貨店や大手・中堅のスーパーなどが停滞感・低迷感を強める中で、ドン・キホーテは常に右肩上がりです。

 まさに一人勝ちの様相さえあります。

 ジャングルといわれた店舗のつくり方や仕入れから販売まで現場への大幅な権限委譲など、一風変わっていると言われてきた安田さん流の考え方が、いまでは既存の他者の現場でマネされるほど、“非常識”が常識化してきました。

 ドンキ・スタイルが業界を変え始めたとも言えるのです。

 こうした流れをつくったのは、安田さんが持つ六白としての天性、“先を見る目”があったからともいえるわけですが、実は安田さんは、はじめからそんな先読みをしているわけではありません。

 安田さんが培ってきた、研ぎ澄まされた“感”を現場(経営や販売)で表現していく、その蓄積が先を見る目につながっていったと解釈したほうがよいでしょう。

 いい意味で「現場主義」で、現場から未来を切り開いていったという表現が似合うと思います。