誰かに感謝されることが
喜びになる
仕事本来の目的を考えるために重要なことは、一度「自分のためにやっている」という意識を捨て、「誰かのためにこの仕事をやっているんだ」ということを考えてみることです。そのためには、あなたのした仕事によって喜ぶ第三者の顔を思い浮かべてみるといいと思います。
私の知っているある女性編集者は、やり手のキャリアウーマンです。それと同時に母親でもあります。
家庭との両立で仕事は大変だと思います。でも彼女は、「忙しい」仕事をあえて選択して、仕事にやりがいを見出しています。かつて以上に結果を出して、会社ではリーダー格として辣腕をふるっているのです。
「どうして、そんなに頑張れたんですか?」と聞くと、「娘の顔を思い出すと、限界を超えられるようになったんですよ」と言います。
そういうふうに自分の仕事を喜んでくれる人の顔を想像できるようになれば、今の仕事だって楽しくなるのです。
むろん“自分の仕事を喜んでくれる誰か”は、この女性編集者のように家族でもいいし、両親でもいいし、恋人でも構いません。
ただ、第4回でも述べたように、お客さまでも職場の人たちでも、「仕事で誰かに感謝される」ということは、そのまま、その仕事に対する喜びにつながってくるのです。だとしたら、“仕事をしている相手の喜ぶ顔を想像すること”は自分の仕事を成長させていく、一番効果的な方法になります。
かつて、私は介護福祉士として働いている人に聞いたことがあります。その人は本当に楽しそうに仕事をしているのですが、「そんなに過酷な仕事をしているのに、どうしてそんなに嬉しそうに仕事ができるんですか?」と。