まったく売上が上がらなかった
新人時代
今回からは、「仕事を面白くする」ための条件として私が考えている“いくつかのキーワード”を述べていきます。
次PART以降では、それらのキーワードのそれぞれについて、より具体的に語っていくつもりです。しかしその前に、どうして私がそのキーワードを思い立ったのか。ほかならぬ自分が「仕事を面白くしていく」までの経験を交えながら、ご説明していきたいと思います。
まったく仕事ができない新人だった私が、どうして会社を立ち上げるまでに至ったのか?「仕事なんて面白くない!」と思っていた私が、どうして「仕事を面白くする方法」を皆さんに提供しようと考えるまでに至ったのか?
その経緯は、本書を読む皆さんに大いに参考になると思います。
大学4年のとき、じつは私は、ほとんど就職活動というものをしませんでした。社会に出て働くということに、まったく興味が持てないまま大学生活を送っていたからです。
当時、それを見かねた友人が、「一緒に行くぞ!」とOB訪問に連れていってくれたのです。それが兜町にあった某証券会社でした。
正直、証券業界などに、ほとんど興味はありませんでした。おまけに、せっかく訪ねたOBも、急用ができて会えなくなる始末。「まあ、いいか」とロビーでボーッと2人で座っていたら、ちょうどその会社の役員さんが、そこを通りかかったのです。
私たち2人は、どこからどう見ても学生という格好でしたから、怪訝に思ったのでしょう。役員さんは、受付の人にこう聞いたそうです。