英語が下手でも心を通じさせることはできます。外国人のノリを理解して、彼らに好かれ、信頼されるためのちょっとしたコツを伝授します。
最終回となる第5回は、「外国人と仲良くなる方法」をご紹介します。「営業の時のあいさつの仕方」「接待でクライアントと親密になる方法」「英語の波長やノリを理解するポイント」など、シチュエーション別に最適な方法をピックアップしました。
究極を言えば、コミュニケーション能力や、相手との心の距離を近付ける能力に長けていれば、言葉そのものが達者でなくとも、お互いに通じ合うことができます。ビジネスでも成功をおさめることができるでしょう。逆に中途半端に英語が達者だと、言葉に依存するあまり、日本語をそのまま翻訳したような味気のない英語でコミュニケーションを図ってしまいます。
ここではそんなことにならないよう、英語力以外でコミュニケーションをカバーするテクニックを紹介します。このテクニックをおさえて、自信を持って外国人と信頼関係を築いてください。
教科書の答えは間違っている?!
挨拶で必ず聞かれる「How are you?」ですが、実際にこれを聞かれたとき、ほとんどの人は下のように返しているのではないでしょうか。
×「I’m fine thank you.=まあまあです。」
よく教科書に載っている答え方ですが、実はあまり使われる言葉ではありません。というのもfineは「悪くはない、及第点だ」というニュアンスを持っているので、かなり控えめな返答になってしまうからです。実際に最もよく使われる答えはこれです。
○「I’m good(great).=調子いいですよ。」
これをただ覚えるのは簡単ですが、その前に、なぜfineがあまり相応しくなく、goodがよいのか、を理解する必要があります。日本社会では、自分の好調さをビジネスの場で伝えることをしません。自慢や押しつけがましいと思われてしまうからでしょう。
したがって、ほとんどの人が「元気ですか?」と聞かれれば「ぼちぼちです」「お陰様で、元気にやっています」と、もし絶好調であっても控え目な表現をすることでしょう。これらを英語に直訳するとfineになるわけですが、これでは外国人に対して調子の良さは伝わりません。