銀座4丁目で観測された
中国人観光客の“変化”
銀座4丁目といえば中国人観光客の買い物の聖地。その銀座4丁目である変化が起きている。
日本のある化粧品メーカーがその変化の兆しをキャッチした。
「このところ1人当たりの購入単価が減少している」――
減少しているのは中国人観光客による購入単価だという。
人気の化粧品ともなれば、観光シーズンのかき入れ時には、スタッフ総動員でその対応に追われた。手押しのカートに100個単位で商品を詰め込む中国人観光客、大量に買い上げた商品を社員が銀座8丁目の観光バス停車場まで運ぶ――そんな光景は銀座の風物詩ともなりつつあった。
彼らの購買力は金額で日本人の3倍にも相当すると言われ、界隈では消費の牽引役とも認識されてきた。
そんな非日常的な「大量買いの中国人」は国を挙げて大歓迎され、いつしか「金持ちセレブ」ともてはやされるようになった。
ところが、昨年秋ぐらいから、購入単価が落ち始めたのだ。
さまざまな憶測が飛び交った。現地の景気の低迷が個人消費に影響をもたらした可能性を指摘する声もあった。だが、購入金額の減少は、実は税関検査の厳格化と密接に結びついていた。