ブラジルタウン・群馬県大泉町から考える「生活保護外国人」の現実
外国人就労を拡大する入管法改正案が可決された。生活保護外国人の実態を、ブラジルタウンとして知られる群馬県大泉町の例から考える(写真はイメージです) Photo:PIXTA

外国人労働者の
「良いところ取り」は可能か

 11月27日、外国人就労の拡大を主な内容とする入管法改正案が衆議院で可決された。外国人労働者に対しては、「日本に労働力を提供し、賃金を得て納税してほしいけれども、日本の社会福祉や社会保障は使ってほしくない」というのが現政権の本音であろう。その「本音」は、日本で広く支持されている意見でもある。

 良くも悪くも、その心配はない。今回、受け入れが拡大される外国人労働者は、在留期間中に失職した場合、生活保護の対象とならない可能性が高い。また、生活保護の対象となる「定住者」「永住者」などの在留資格を認められる可能性も低い。

 一方、安易な外国人労働者受け入れ拡大に対する懸念の声もある。人権面の問題もさることながら、外国人労働者が日本の社会保障コストを増大させる可能性に対する懸念もある。たとえば「ブラジルタウン」として知られる群馬県大泉町では、工場労働者としてブラジル人を中心に外国人を受け入れてきたが、2008年のリーマンショック後に失職した人々も多い。もちろん、生活保護で暮らしている外国人もいる。大泉町に対して、「安易な移民促進で失敗し、社会保障コストが増大しているのでは」という見方をする人々もいる。

 本稿では、まず大泉町の外国人と生活保護の現状を数字から眺め、今回の入管法改正が外国人と生活保護に対して及ぼす影響を検証したい。

 大泉町の町の人口は約4万2000人、外国人は約7600人である。外国人比率は18%であり、その54%をブラジル人が占めている(以上、2018年10月末)。5人に1人は外国人、10人に1人はブラジル人ということになる。

 生活保護に関して、直近のデータがある2018年3月、生活保護で暮らす外国人は94人、23%だった。この数字は、日本人に比べて「やや多い」のだろうか。それとも「非常に多い」のだろうか。

 2018年3月末、同町において生活保護で暮らしていた人々は407人であり、同月の町人口の0.97%にあたる。生活保護統計を見慣れている人なら、「少なすぎる」と感じるはずだ。同月、日本全体では人員ベースでの保護率は1.67%だった。