2.過去の栄光から現実を直視できない
   ハッタリ系「何でも維持」タイプ

 次は、役員のケース。役職定年で1度目の収入ダウン、そして再雇用で2度目の収入ダウンを迎えた時に備えてどう対応するかである。

 Bさん(50歳)は、一部上場企業に勤める大手役員。Bさんの年収は1400万円(手取り約1000万円)で、子どもは留学をするなど、他の家族が羨むようなぜいたくな暮らしをしている家庭だ。Bさんは現在、毎月の生活費として住宅ローンや水道光熱費などの自動引き落とし以外に、生活費として月に40万円を妻に渡し、休日には自身もゴルフなどレジャーによく出かけるという。子どもの留学費用(年間200万円)を含めると、年間支出は900万円を超える。

 ちなみにBさんは55歳で役職定年を迎え、管理職から外れるために年収は約600万円(手取り約480万円)にダウンし、その後、定年(60歳)後の再雇用で65歳までいられるが、その時の年収は嘱託社員として約300万円(手取り約240万円)程度になるという。

 特に注目してほしいのは55歳以降の生活である。B家は取引先の接待を含む趣味のゴルフや、食費、被服費、小遣いなど従来どおりの生活水準を維持するのが当然と思っており、子どもの留学費用の負担がなくなっても、支出は年間700万円台。これでは役職定年以降は赤字になり、シミュレーションにあるように65歳前後で貯蓄が底をついてしまう。

 メンツを気にして過去のぜいたくを維持したまま、これからの生活水準を考えられずにいる人がいる。筆者はこんな人をハッタリ系「何でも維持」タイプと呼んでいるが、こういうタイプの人の将来は非常に厳しい。まさに長期的な視野で捉えることができなくなっているのだ。

 そんなタイプの男性への対処法は、過去をねぎらいつつも、今後は生活水準を落とさなければ赤字になりうること、約10年で貯蓄が底をつくことを共有することだ。その上で、この状況を打開するために1つだけ何かを残すとしたら、何を最重要事項にしたらいいのかを明確にすることだろう。