収入の激変がきっかけで、夫婦仲がギクシャクする夫婦は少なくない。特に最近は、男女とも働き方やキャリアアップスキルも多様化し、会社員であっても処遇によって収入が激減することに戸惑う人が増えているようだ。今回は、共働き世帯の中で収入の激減に対応できないケースのうち、メンタル面でありがちな、残念な男性3タイプを紹介しよう。(ファイナンシャルプランナー 吹田朝子)
年収が大きく増えると、自分の評価が変わったと思う人は少なくない。巷に年収アップを謳ったセミナーや商材が溢れているのもその現れだろう。特に仕事を生活のベースにおく男性の中には、年収が増えれば自分が評価されて成功者だと自信を持つ一方、逆に年収が下がると自信をなくしてしまう人も散見される。
以下では、共働き夫婦世帯の中で、収入の変化に対応できないケースのうち、メンタル面でありがちな「残念な男性」3タイプを取り上げてみよう。
(1)やる気をなくす「無気力」タイプ
Aさん(男性43歳)は年収650万円、妻(41歳)は年収450万円で、共に会社員。子どもはいないが、夫婦それぞれ趣味を持ち、特に不平不満もなく生活を送っていた。ところが、Aさんの会社は業績不振でボーナスが出なくなったことに加え、社員全員の給与を一律10%カットしたために、年収が500万円台に下がってしまった。その一方で、妻は仕事ぶりが評価されたために昇進し、収入が大幅にアップ、年収が逆転したのである。
年収が逆転すると、妻の方が偉くなったように感じてしまい、妻に対して嫉妬したり、自分の処遇を不憫に思ったりして、やる気をなくしてしまうのが「無気力」タイプだ。
とりわけ女性経営者の中には、意外とパートナーがこのタイプで、夫が働かなくなるケースも少なくない。そうなると、従来の2人で稼ぐというダブルインカムのバランスが崩れ、収入が大幅にダウンしかねないので、注意しなくてはならない。