日経平均の行方
年末までの日経平均とS&P500の行方は? Photo:PIXTA

 皆さんこんにちは。三井住友アセットマネジメント調査部です。毎週土曜日に「ビジネスマン注目!来週の経済、ここがポイント」をお届けしています。

 今日から12月がスタートし、今年も残すところ、いよいよあと1ヵ月となりました。そこで今週は、今年始めからの振り返りや年末にかけての金融市場のリスク要因を整理し、日米の株式市場の展開を予想してみたいと思います。

米国経済の堅調さを背景に
トランプ大統領の強気な通商政策が継続

 今年は、トランプ大統領がアメリカファーストな通商政策を展開した1年でした。

 今年1月、米商務省は、2017年4月から通商拡大法232条に基づいて調査を進めてきた鉄鋼とアルミニウムの輸入制限措置の調査報告書をトランプ大統領に提出しました。トランプ大統領は90日以内を期日とする判断期間を経て、鉄鋼とアルミニウムの輸入増加が安全保障上の脅威になっていると判断し、3月に輸入制限を発動しました。

 さらに、中国に対しては、通商法301条に基づいて知的財産侵害を理由に対中輸入のうち500億ドル分に対して制裁関税を賦課すると発表しました。これに対して、中国も同額の対米輸入に追加関税を賦課するとしたことから、米中の貿易摩擦は激化していくことになります。

 その後これらに加えて、米国は2000億ドルの対中輸入に年内は10%の制裁関税(2019年以降は25%の予定)、中国は600億ドルの対米輸入に最大25%の追加関税を賦課しています。また、トランプ大統領はさらに2670億ドルの対中輸入への制裁関税賦課も選択肢として残しています。

 現在中国政府は、かつて世界の工場と呼ばれていた重厚長大型の製造業を中心とする「オールドエコノミー」から、サービス産業を中心とする「ニューエコノミー」へと産業構造を転換させる方針を掲げています。なかでも、製造業の高度化を目指す政策である「中国製造2025」では、次世代ITやロボットなど10分野を重点産業に指定しています。

 例えば、中国株式市場ではMSCIチャイナ指数の業種別時価総額をみると、テクノロジー業種の割合は、2007年末の2%から、2017年末には41%へと急拡大しています。

 こうしたなか、トランプ大統領は中国に対して、ハイテク分野に過剰な補助金を振り向ける「中国製造2025」の撤廃などを要求していることや、対中輸入品への制裁関税が対中輸入額の大半に及ぶことなどから、中国株式は今年大幅に下落しました。